(1)FUJICASCOPE
M10(1968)
フジの最も小型安価な映写機です。作りがシンプルで逆転映写やストップモーションは出来ませんが、トラブルが起きる要素も少ないです。
場所を取らないので、棚に常時設置してあります。(現在貸し出し中です)
ビデオプロジェクタと共用のロールスクリーンに投影しているのですが、同じ距離からのビデオプロジェクタと比べて数分の一の映像面積です。
M10の欠点は、小さめのリール(直径16cm?まで)しか掛けられないことと、レンズ性能が低いので画面全体に均一なピントが合わないことです。私は19mm
F1.4レンズにオプションの 0.8倍ワイドコンバータを付けてあります。貸し出し中。
(2)FUJICS TM20(197?)
フジの電動式ビューアです。池袋芸術劇場の書店で見かけて、可愛いらしいデザインが気に入り購入しました。分解掃除程度で使えるようになりました。
一応明るいところでフィルムのプレビューが出来ます。しかし映写機を使った方がピント等をキチンと確認出来ますし、エディタなら簡単に逆回しも出来て便利なので実用性は低いです。
電球はエディタ用と同じです。市販の物と換えたところ明るくなりました。
ところで、web上で同じ機械を見かけて、本来は上面に透明プラスチックカバーが付いている事を知りました。私はビニールを掛けて埃をしのいでおります。
(3)Eumig
オイミッヒ RS3000HQS(1978)
オーストリアのEumig社のテレビ型/投影兼用サウンド映写機です。大きくて重いです。
録音機能に問題があるジャンク品として購入しましたが、サウンドフィルムを持っていないので不具合は不明です。
明るく、ズームレンズではないせいかレンズ性能も良く、映りは綺麗に感じます。
ただ、フィルム経路が通常の映写機と違って複雑なので、整備をキチンとしてもフィルムを痛め易いです。またシングル8フィルムとの相性も良くないので、正直あまりお薦めできない機械です。オークション等で良く見かけますが、避けた方が良いでしょう。
秒間コマ数が18〜24まで連続可変出来ます。R2000という機種もありました。
(4)FUJICASCOPE MG90(1969)
フジの外部同調式サウンド映写機です。「三村コレクション」より頂きました。劣化したウレタンコードを交換しようと分解したところ、動作モード切り替えの部品の欠損が見つかり、代替部品を探しております。三村先生がかなり愛用していたらしく、摩耗や修理の跡が見受けられました。1枚羽根3倍速回転シャッターを持つ等、メカが複雑なのが悩みです。
また、外部とはいえサウンド機にも関わらず、動作音はやかましいです。
しかしフィルム送りの安定性は良好で、映写レンズ25mmF1.0による素晴らしい画質が魅力的です。テレシネでフリッカーレスになる速度調整も可能です。
レバー操作だけで、スーパー/シングルとレギュラー8mmの切り替えが出来ます。
(5)Eumig 807D(1974?)
オイミッヒ社のサウンド映写機です。裏カバーまで軽合金ダイキャストできっちり作られています。ベルトを使わないエレガントで堅牢そうなメカが素晴らしいです。テレシネフリッカーレス速度も可能です。交流モーターらしく、映写速度も安定しています。
オークションで京都の方からランプの点かないジャンクとして3000円で落札しました。ニューヨークで買ったとの事でしたので、裏カバーを開けて、2カ所のケーブル差し替えとレバー操作で100V/50Hz仕様にしました。
「ITOH−AV」様の助言により、モード切り替えレバーに連動したランプスイッチ接点等を掃除したら点灯するようになりました。電気系は日本製より弱いのかもしれません。
フジMG90の高画質レンズを付けて映写出来ました。
ランプ蓋内にあるアパーチャ部品とスプロケットを交換することでレギュラー8mmにも対応出来ます。
(6)RICOH AUTO8P TRIOSCOPE(1967)
リコーのトリオスコープというシングル8/スーパー8とダブル8両用の小型映写機です。画像をクリックするとカバーを付けた状態の写真が開きます。小さい割には速度調整や逆転映写停止等の機能があり、投影画面もシャープで優秀な映写機です。
「東京8ミリシネ倶楽部」の八尾雄一氏から箱つき新品同様の状態で貰いました。
収納に便利なので、フジカスコープM10に替えて、常設映写機にしました。ビデオプロジェクタ用スクリーンに映した状態の写真です。
(7)YELCO STEREO 3600 and FUJICASCOPE SD20
精密機械工業が盛んな諏訪湖の畔、長野県岡谷市で1961年に創業した山和(やまわ)電機の映写機です。左はFUJICASCOPE SD25相当のYELCO STEREO 3600で、右は富士ブランドから出されたFUJICASCOPE SD20です。山和電機は1969年に富士写真光機の資本参加が始まり、1983年100%子会社化され、その後フジノン岡谷->富士フイルムテクノプロダクツになりました。2007年岡谷工場は閉鎖されたそうです。
両機種ともスペインの友人Ignacio向けに入手したものですが、国内で貴重なYELCOはとりあえず手元に置いてあります。SD25の国内発表は1978年の12月ですが、STEREO 3600は1981年に発売されたようで、最終期の8mm映写機になります。大柄で重く、振動もなく、操作性の良い完成度の高い機械です。外装はプラスチックを多用していて、デジタルカウンターとともに1980年代のオーディオにも似た雰囲気です。山和電機関係者の方の愛蔵品だったので、箱や付属品(ヘッドホンまでついてます。)が揃っております。